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2005年 09月 25日
繙読
最初の書き込みで引き合いに出してしまった手前、そうしないわけには行かないであろうという一種の強迫観念によって、実に久し振りに、現在刊行が途中で止まっている筑摩書房『マラルメ全集』の第2巻『ディヴァガシオン 他』を、書棚より取り出す。1989(平成元)年8月7日、と鉛筆にて購入日が書き入れてある。当時は、ドビュッシーの音楽に傾倒し、そこから絵画はルドンへ、文学はマラルメ、ヴァレリーへと興味の対象がどんどんと拡がっていたのだった。なお1989年は私はまだ大学入学前の浪人生で、よくこんなものを買ったものだと今更ながら呆れてしまう。

もちろん、買った当初からすぐにちゃんと読めたわけではない。何より、一旦所有してしまうと、ひとまずは所有欲が満たされてしまう。本の中身よりも、その体裁、手触り、紙質といった本そのものに愛着が沸いてしまう。読まずとも、字面を追いページをめくっていくだけで満足してしまう。これは私にはよくあることなのだが。『マラルメ全集』に対しては、特にこうした思い入れが強かった。
他の文献で取り上げられているところなど部分的には精読したが、全体にわたっては今もって読み込んではいない。大学入学後にはむしろ哲学に興味が移っていたこともあり、結局『マラルメ全集第2巻』は私の本棚の一番目立つ位置に、常に目に留まる定位置に置かれたまま、繙かれることもなく、惰眠を貪っていたのだ。

さっきから、改めて、ページの最初から読み直してみる。ボードレールの散文詩のような「逸話、或いは詩編」は当時は苦手だったが、案外すんなりと読み進めることが出来た。ヴァレリーとともに、マラルメも、ここらできちんと再読しておこうか。

by junitchy | 2005-09-25 23:35 | 繙読翻書 | Comments(0)


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